ハチドリのひとしずく

森が燃えていました

森の生きものたちはわれ先にと逃げていきました

でもクリキンディという名のハチドリだけはいったりきたり

くちばしで水のしずくを一滴ずつ運んでは火の上に落としていきます

動物たちがそれを見て「そんなことをしていったい何になるんだ」といって笑います

クリキンディはこう答えました

「私は、私にできることをしているだけ」

Kurikindi, the golden hummingbird

The forest was on fire.

All of the animals, insects, and birds in the forest rushed to escape.

But there was one little hummingbird named Kurikindi, or Golden Bird, who stayed behind.

This little bird went back and forth between water and fire, dropping a single drop of water from its beak onto the fire below.

When the animals saw this, they began to laugh at Kurikindi.

" Why are you doing that?" they asked.

And Kurikindi replied, "I am only doing what I can do.

南米アンデス地方の先住民に伝わる美しい物語。まだ記憶に新しいオーストラリア森林火災を思い出します。メディアで報道されていた様子はとてもショッキングなものでした。動物たちが炎から必死に逃れようとする様子が目に焼きついています。懸命に小さな命を助けようとしていたレンジャーの方やかけつけた一般の方がきっとハチドリのような存在なのでしょうね。

小さな力の大切さを教えてくれます。

アマゾン森林火災のこの光景もいずれ忘れてしまうのでしょうか。確かな発火原因はいまだにわかっていませんが、なんにせよ人間が関わっていることは間違いないと思うと胸が痛みます。


自分になにができるか、自分が得をすることで傷ついてるものがいないか、しっかりと考えて生きていきたいです。


書籍:ハチドリのひとしずく/辻 信一監修/光文社刊/2005

写真:オーストラリア南部のカンガルー島でコアラを助ける動物保護専門家(AAP通信)/ロイター

写真:アマゾン森林火災の焼け跡/CHARLIE HAMILTON JAMES

s.omura

いきものとしぜんにやさしい未来

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